夏から秋にかけて精力的に活動するあの嫌な虫、蚊。
気持ちよく寝ている時にプーーーンという嫌な音で目を覚まし、暗闇の中で殺虫剤を振りまくという人も多いのではないでしょうか。
そろそろ蚊に悩まされる時期が始まりますが、そんな中大手化学メーカーの花王が蚊除けの新たな技術を発表し話題になっています。
界面活性剤を使い蚊の飛行機能を抑制
従来の蚊除けスプレーは殺虫成分を蚊に吹きかけることで蚊を退治するものですが、今回花王が発表した技術は”界面活性剤”を蚊に吹きかけるというもの。
蚊の体や羽の表面は疎水性(水と混じりにくい)のワックスで覆われており水をかけてもはじいてしまうのですが、油と水を乳化させる働きを持つ界面活性剤をかけると表面のワックスが溶けて羽ばたきが止まってしまうという。
実際に界面活性剤入りのスプレーを蚊にかける映像を見ましたが、スプレーした途端に蚊がぽとっと地面に落ちてしまいました。
蚊の表面の油分と界面活性剤が融合しベタベタと体にまとわりつく事で上手く飛行ができなくなってしまうという事なのでしょうか。
このスプレーをかけられた蚊は再度飛行することが不可能になってそのまま死んでしまうようです。
従来の殺虫スプレーも蚊は退治できますが、間接的に人も殺虫スプレーを吸い込んでしまいます。
人体に影響のないように作られているとは思いますが、それでもなるべくなら吸い込みたくないところ。
いずれこの界面活性剤を使ったスプレーが商品化するようになれば、殺虫成分入りの蚊除けスプレーを使う必要もなくなるかもしれませんね。
シリコーンオイル配合で蚊が肌に降り立てなくなるクリーム
また花王が去年タイで売り出した虫よけクリームには、無色透明の「シリコーンオイル」が配合されており直接皮膚に塗るとその箇所には蚊が降り立てなくなるように作られています。
蚊が嫌がる肌の表面を作り出すことで、血を吸われずに済むという技術です。
東南アジアでは毎年デング熱など蚊を媒介して広がる感染症で命を落とす人も多く、そういった感染リスクを減少させることへの貢献が期待されるようです。
日本での発売はされていないようですが、レジャーやキャンプ・農作業などのシーンでも蚊の被害はつきものですので日本でも発売されることを期待したいですね。
まとめ
今や蚊も殺虫スプレーに耐性ができていて人間と蚊のいたちごっこはまだまだ終わりません。
今回のような新たな技術が、いつの日かこの忌々しい蚊との攻防に終止符を打ってくれることを願うばかりです。
また最近は界面活性剤も環境汚染の原因だったり人体への影響も懸念されていますので、こういった不安要素も上手く解消した商品が生まれることを期待したいですね。
最後までご覧頂きありがとうございました。